エメラルド

結婚指輪や婚約指輪に使われるエメラルドは緑柱石という鉱物でできています。同じ種類の宝石では、淡いブルーのアクアマリン、ピンク色のモルガナイト、責色のヘリオドールなどがあります。その他の緑柱石は単にベリルと呼んでいます。古代ヨーロッパでは、結婚指輪や婚約指輪に使われるエメラルドはエジプトでしか採れませんでした。インドでは第二次世界大戦中に発見され、ウラル・エメラルドとして知られています。古来、エメラルドの透き通った緑は、木々と結びつけられて考えられていました。木々が育つのは生命力という力がそこにあるからだと考えられ、生命力は緑色で表現されました。結婚指輪や婚約指輪に使われるエメラルドは生命力のパワーが凝集していて、植物のように枯れたりせず永遠のパワーを持っていると信じられていました。ギリシャ・ローマでは、金星は美と愛の女神ヴィーナスの星とされているように、緑は男女を結ぶ愛の色、エメラルドは愛の守護石でした。また、キリストの最後の晩餐に用いた聖杯はエメラルドでつくられていたともいわれています。

大昔、結婚指輪や婚約指輪に使われるエメラルド鉱山はエジプトだけにしかありませんでした。クレオパトラが独占していたので、クレオパトラ・エメラルド鉱山と呼ばれています。1818年、フランスの探検隊によって発見されるまで、幻の鉱山でした。クレオパトラは自分の名をつけた鉱山から、ギリシャ人の鉱夫をたくさん送って採掘させたエメラルドをこの上なく愛したのです。結婚指輪や婚約指輪に使われるエメラルドの緑がよりいっそう彼女の美しきを引き立てたことでしょう。この鉱山から産出された良質のエメラルドは、クレオパトラの死後ローマ帝国の財産となりましローマでは神像の眼にはめられ、緑が眼の疲れをいやすことから眼病の良薬になると信じられていました。